2024/04/12 20:30:45 | 1 Min Read

MMMの重要性とビジネスへの影響 第2回(応答曲線とアドストック)

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MMMの重要性とビジネスへの影響 第2回(応答曲線とアドストック)

前回(第1回)は、マーケティング(メディア)・ミックス・モデリング(MMM)の進め方と各プロセス概要について投稿しました。

第2回では、各プロセスを詳しく説明します。

ビジネス問題の理解を行った後、データの理解に移りますが、そもそもMMMはどういうロジックなのかを理解しておかないと、データの理解が進まないかなと思います。

MMMとは

そもそも、MMMは時系列のマーケティングデータを扱う分析手法です。次回以降で詳細にふれますが、仮にKPIを売上、説明変数をGoogle広告、Yahoo広告、Meta広告とした場合、売上に貢献した広告媒体は何なのかを分析する手法です。

そして、大きく2つの特徴があり、メディア投資の飽和(サチレーション)を表す応答曲線と、メディアへの広告投資における減衰効果を表すアドストックがあります。

応答曲線

応答曲線は、マーケティング活動に対する消費者の反応を表すもので、特定の広告媒体に対する支出と売上の増加との間の関係を示します。この曲線は、広告効果の飽和点や限界効果の減少を理解する上で重要な役割を果たします。特に、メディア投資が一定のポイントを超えると、追加の支出が売上に与える影響が減少し始めることを表します。この現象は、メディアへの投資が一定の効果を超えた場合、その効果が飽和し始めることを意味します。

下の図では、channnel_0は残りの2つと比べて、広告効果が時間がたつにつれて低減していることがわかります。

アドストック

広告投資における減衰効果を表す指標です。これは、消費者が広告に対して示す反応が時間と共に減少する現象を指し、特定の広告が消費者の購買行動に及ぼす影響が、広告掲載直後は強いものの、時間が経つにつれて徐々に薄れていく様子をモデル化したものです。アドストックは、メディアプランニングにおいて非常に重要な概念であり、広告の効果を時間を通じて正確に評価するために用いられます。

この効果は、広告が消費者の記憶に残る期間と密接に関連しており、広告が一度にどれだけのインパクトを持つか、そしてそのインパクトがどれくらい持続するかを分析することで、より効果的な広告戦略を立てることが可能になります。

まとめ

応答曲線とアドストックの違いは、マーケティング活動の効果をモデル化するアプローチにおけるその役割にあります。応答曲線は、特定の広告支出が売上にどのように影響を与えるかを理解するために使用されます。これは、広告効果が一定レベルに達すると飽和し、追加の支出がそれ以上の売上増加をもたらさないという概念を捉えます。一方、アドストックは広告の影響が時間とともにどのように減衰していくかをモデル化するもので、過去の広告投資が現在の売上にどのように影響しているかを示します​​。

つまり、応答曲線は広告支出の増加に伴う売上の増加関係をモデル化するのに対し、アドストックは過去の広告投資が時間を経て現在の売上にどのように影響しているかを表すのに用います。これら二つの概念を適切に理解し活用することで、マーケティング効果を最大化することが可能です。

Topics: データ活用, MMM

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